◆WTO(World Trade Organization)〔略語年鑑1998年〕国際貿易機構。

◆世界貿易機関(WTO)(World Trade Organization)〔貿易用語〕

一九九四年四月のマラケシュ(モロッコ)における閣僚会議(一二四カ国政府・地域)でWTO協定が署名され、九五年一月、WTOが新しい世界の貿易秩序の構築を目指して発足した。サービス貿易や知的所有権問題などもカバーする。

◆世界貿易機関(WTO)(World Trade Organization)〔世界経済用語〕

一九九五年一月、GATTウルグアイ・ラウンドの終結に伴い、新しく国連の関連機関の一つとして設立された。WTOは政府間協定のGATTの任務を引き継ぐが、初の国際貿易機関として、組織的に世界貿易の自由化と貿易ルール作り、金融・財政政策との整合性をすすめていくことになる。世界的な地域主義、保護主義の台頭の下で、グローバルな貿易進展の枠組みが設定されたことの意義は大きい。WTOの場では、投資、環境、労働基準、一方的貿易制裁、地域主義、競争政策、金融・通貨政策、会社法、国内法の域外適用、開発の一○テーマが討議される。九六年末に第一回の閣僚会議が開かれ、九七年を通じて電気通信や金融サービス面での自由化交渉を完了させる予定である。現在、中国のWTO加盟が交渉されているが、サービス分野での調整が遅れ、難航している。

●WTOへの提訴〔貿易用語〕

世界貿易機関(WTO)へ提訴される貿易紛争の件数が同機関が発足した一九九五年から九七年六月末までで八八件(複数の国が同一案件を提訴したケースを別にすると六五件)に達し、九五年(二五件)、九六年(三九件)、九七年六月まで(二四件)と年を追うごとに増加している。わが国の酒税格差、写真フィルム市場、植物検疫制度などがアメリカから提訴されているようにアメリカの提訴が三三件(累計)と一番多い。わが国もインドネシアの国民車問題で同国を訴えており、EUの訴えと統合された形のパネル(紛争処理小委員会、九七年六月一二日に設置が決定)のもとで審理がなされている。パネル審理の結果は原則として委員会が構成されてから六カ月以内にパネル報告書として紛争当事国に提示される。パネル報告に不服の場合には上級委員会(最高裁にあたる機関)に不服申し立て(上訴)することができる。

                       現代用語の基礎知識98より

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