デジタル化の与える影響

 

GATT(関税及び貿易に関する一般協定)

199412月 WTO世界貿易機構)を設立するマラケシュ協定付属文書1cTRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)

 

WIPO(世界知的所有権機関)

 199111月―19965 ベルヌ条約議定書案に関する専門家委員会

19937月―19965月 実演家及びレコード制作者の権利を保護する新文書に関する専門家委員会

 19968月 三条約案の公表

  「著作権に関する条約案」「実演家等の権利に関する条約案」

  「データベースの保護に関する条約案」

 199612月 WIPO外交会議における二条約の採択

  WIPO著作権条約The WIPO Copyright Treaty

  WIPO実演・レコード条約The WIPO Performances and Phonograms Treaty

 

改正点と残された課題

写真の著作物の著作権

 従来の著作権法五五条

  一般の著作物 創作の時から著作者の私語五〇年を経過するまで

  写真の著作物 公表後五〇年

         創作後五〇年以内に公表されなかった場合、創作後五〇年

  ・・・・ その作成の機械依存度が高いため、保護の水準を低く押さえていた。

 → WIPO著作権条約 保護期間の特則を撤廃。

   日本:1997139回国会で著作権法改正199811日より特例廃止

 ・・・・ デジタル時代のマルチメディアの下、静止画としての写真の需要が高まった。

 

複製権

 コンピュータへの一時的瞬間的蓄積を「複製」に包摂する考え方。

 ←→ 著作物の「使用」をも押さえる可能性。 未解決の課題。

 

頒布権

 従来の頒布権 映画の著作物のみに認められた権利

 WIPO著作権条約 頒布権を一般的な権利とした。

 ←→ 無体物である著作物自体をデジタル送信

 

 概念のずれ

日本法 「有償であるかまたは無償であるかを問わず、複製物を公衆に譲渡し、または貸与すること」(二条一項一九号)

1996年条約 「頒布」(六条)概念に「貸与」(七条)概念を含まない。

→ 映画著作物は貸与権ではなく頒布権の対象(二六条の二)

 

貸与権

 日本法 著作物一般を対象

 WIPO著作権条約 商業的貸与のコンピュータプログラムに限定

→ 映画著作物 複製物によって上とされる場合と貸与される場合に異なった条文に納められる可能性。

 

著作物のデジタル送信

 公衆送信権

WIPO著作権条約八条 有線または無線により著作物を公衆に伝達(送信)することを許諾する排他的権利

「公衆への伝達」公衆の構成員が個々に望んだ場所から望んだ時にアクセスできるように、著作物を公衆に利用可能な状態にすることを含む。

→ ネットワーク上にアップロードする行為

日本: 1997年 第一四〇回国会「公衆送信権」を改正(「公衆送信可能化」)

  ←→ 実演、レコードに関しては、利用可能権を認めるだけ(九二条の二・一項

 

著作権の法的保護と効果的な法的救済 WIPO著作権条約一一条

 

電子的権利管理情報 WIPO著作権条約一二条

 

実演の保護 WIPO著作権条約五条一項

実演家の人格権 実演の歪曲、切除その他の改変で声望を害するおそれがあるものに対する異議申し立ての権利

 実演に関する著作隣接権 実演に関する出演契約による一括処理に対する議論

 

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