世界最大の電話会社米AT&Tは8日（米国時間）、秋期インターネット・ワールドで、世界最大のインターネット電話会社となるための新戦略を発表した。インターネット接続業者向けのIPベースの電話事業を提供するサービスや、企業向けのIPベース電話の仮想施設網、消費者向けのチャット・サービスの値下げなどが含まれる。

　AT&Tは、インターネット接続業者や電気通信事業者向けに「グローバル・クリアリングハウス（世界的な交換所の意）」を導入、世界140カ国にわたるIPベースの電話事業を容易に設立、稼動できるようにする。同サービスにより、インターネット接続業者は同業他社との交渉や契約をする時間や費用がなくなるという。グローバル・クリアリングハウスには、ルーティング管理や決済、課金などのサービスが含まれる。

　さらにAT&Tは、一般企業を対象とするIPベース電話の仮想施設網、「ボイス・オーバーIP仮想施設網」サービスの試験運用を開始した。同サービスは、世界各地にわたる電話やファクスを、IPベースの電話で内線電話のように利用できるサービス。世界6都市のAT&Tの支社をネットワークで結んだものと、多国籍金融機関を結んだ試験運用を、来月まで行なう。

　消費者向けには、チャット・サービス「チャット'Nトーク」と電子会議サービス「クリック2ダイヤル会議」を値下げした。さらに、チャットサイトの「チャットスペース」と「ヤック！」と新たに提携した。

[AT&Tの発表]

（Hiroyuki　Et-OH　Tokyo,　Japan）

[Mainichi Daily Mail Internet/ 98年10月12日]