電子マネーの実験の失敗例

 

1998/12/17 ビザなど4社、米の電子マネー実験を中止  

 米銀大手のチェース・マンハッタ シティバンクとクレジットカード大手のビザマスターカード4 社は、ニューヨークを舞台に共同で取り組んでいた電子マネーの運用実験を年内で打ち切る。次世代の決済手段として注目を集めた電子マネーの実験は、使い方の企画・提案が不十分だったため事実上失敗した。各社は個別に展開中の実験も見直す。ビザは日本で電子マネー導入の大型実験を手掛けており、戦略見直しは日本での普及計画にも影響しそうだ。

4社は昨年10月、IC(集積回路)搭載の「スマートカード」を財布代わりに使えるようにした電子マネーの実験を開始。ニューヨーク中心部のアッパー・ウエストサイドで96000枚余りのカードを配り、食料品店など約600カ所で使えるようにした。しかし実験開始後の1年間で利用総額は約100万ドルにとどまり、カード1枚当たりでは月間1ドルに満たなかった。  ニューヨーク7日=山室純

 

スマートカードニューヨーク実験解説

 199710月 ニューヨーク600の店で開始

       目的:相互運用性(同じ端末での利用可能)の実験

 1998 3月 実験終了時加盟店 450 4月以降有料制

 199812月 実験中止

 

組合せ

ヴィザ

ヴィザキャッシュ

シティバンク

マスター

モンデックス

チェイスマンハッタン

  発行枚数 合計96000万枚  内 充填枚数 合計 約5万枚

  充填金額 6ヶ月間約200万ドル(2.8億円) 38.5ドル/枚

  内 利用金額 61万8000ドル(8700万円) 1/3以下

  電子マネーカード自動販売機 3枚/日

 

  失敗の原因 マーケティング不足による利用者の不在。

   カードの特性と加盟店の不一致

   カードの特性    

プリペイド型電子マネー

少額決済 1000円程度

デヴィットカード

中額決済 3000円程度

クレジットカード

高額決済 10000円程度

  パーキング等マイクロペイメントにあう加盟店が少なすぎた。

    

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