-第1章- いつの間にか巻き込まれているネット犯罪(2)

    「ハッカー」と「クラッカー」の違い
 その前に「ハッカー」と「クラッカー」の違いを一言。 「インターネットユーザー用語集」RFC(Request For Comments)番号1983によって、「ハッカー」を引くと、「システム、特にコンピュータやコンピュータネットワークの内的な働きを深く理解することに喜びを覚える人。この語は正しくは「クラッカー」と呼ばれるべき蔑視の文脈でしばしば誤って使われる。クラッカーも参照のこと」と定義される。 そこで「クラッカー」を引くと、「コンピュータシステムに権限を持たないのにアクセスしようとする人物である。これらの人物はしばしばハッカーとは対照的に悪意を持っており、システムに侵入する多数の手段を思いのままに使う」と定義されている。  RFC(Request For Comments)とは、インターネット関連技術の標準化団体であるIETF(Internet Engineering TaskForce)がとりまとめている技術文書群のことをいう。<http://www.ietf.org/rfc.html>これらの文書には「RFC822」という風に「RFC」で始まる通し番号が付けられているために,総称してRFCと呼ばれている。現在の時点では3000以上のRFC文書が存在している。インターネットを運営していく上で幅広いコンセンサスを形成するための文書として出発し、これらの中からTCP/IPプロトコルや電子メール,telnetなどに関する標準が生まれ,現在ではインターネットにおける重要な技術文書となっている。<http://linux.nikkeibp.co.jp/faq/200103-3.org.html>  マスコミの記述では、「クラッカー」の意味で「ハッカー」を使うが、この定義からすると間違いである。公的な管理が存在しないインターネットで、公的という表現は使えないが、インターネットの標準化のための団体の定義でもあり、この定義を採用すべきだと思う。