ところで「プロバイダ」という言葉は、インターネットを使う人はあたりまえのように使っている言葉だが、一体どういう意味だろう。
日本やドイツで使われるときは、「インターネット接続業者」の意味で使われることが多いようである。その場合も、パソコン通信を含む場合と含まない場合がある。原語の意味では「提供者」でしかなく、インターネットに関連して使われる場合は「サービスプロバイダ」、日本語に訳すと「役務提供者」「サービス提供者」という意味で、何のサービスを提供するかに関しては、それぞれその内容がくっつけてある。詳しい説明は後で触れるとして、ここでは単に並べてみよう。
・「オンラインサービス」プロバイダ
パソコン通信
・「インターネットサービス」プロバイダ
インターネット接続サービス提供者
・「アクセスソフトウェアサービス」プロバイダ
サーチエンジン(詮索サービス)等、オンライン上でソフトウェアを利用させるサービスの提供者
・「インターラクティブサービス」プロバイダ
双方向オンライン通信サービス提供者 研究機関、図書館、インターネット接続業者等を含む最も広い概念。
・「インフォメーションコンテンツ」プロバイダ
情報提供、管理サービス提供者 自ら情報を作成し、あるいは同時に、会員等他人の作成したページを管理するサイト。
・「コマースサーバ」プロバイダ
電子商取引のサービス提供者
・「アプリケーションサービス」プロバイダ
「サーバファーム」と呼ばれるデータセンターでアプリケーションを動かし、インターネット上でその機能を配信するサービスの提供者
インターネット上の新しいサービスが次々と生まれ、提供されるサービスが増えるにつれ「プロバイダ(提供者)」の種類も増えていっている。
二点注意が必要である。
プロバイダを考えるときは、「何の」プロバイダなのかをつねに意識していなければならない。マスコミや一部の議論では単に「プロバイダ」として使われることが多く、無意識のうちに「パソコン通信」「インターネット接続業者」「コンテンツプロバイダ」をごっちゃにしてしまいがちである。
また、一つのプロバイダは複数のサービスを提供していることが多い。例えば「@ニフティ」はもともとパソコン通信(オンラインサービスプロバイダ)だが、インターネット接続業者(インターネットサービスプロバイダ)としての性格と、「インフォメーションコンテンツプロバイダ」の性格を持っており、さらに、電子商取引の独自の決済手段をもち「コマースサーバプロバイダ」の性格も持っている。
以上の区別をした上で、プロバイダの責任とは何かということを考えてみよう。