間葉系幹細胞は骨髄中に存在し骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、筋肉細胞、靭帯細胞などに分化できる細胞を指しています。
 骨では間葉系幹細胞由来の骨芽細胞による骨形成と、単球/マクロファージ由来の破骨細胞による骨吸収が行われており。そのバランスが崩れることで大理石骨病や骨粗鬆症が引き起こされます。
 近年、数々の実験結果より間葉系幹細胞の分化制御機構が明らかになりつつあります。
 当研究室では骨芽細胞の分化に関する研究と間葉系細胞の破骨細胞形成支持能に関する研究を行ってきました。

これまでの研究で、血管作動性因子が骨芽細胞の分化に大きく関わっていることを報告しています。また、ビタミンCが破骨細胞形成支持能を促進することを明らかにしました。
背景
間葉系幹細胞の分化制御機構をさらに明らかにする
間葉系幹細胞の分化をコントロールする
 前述したように間葉系幹細胞の分化制御機構は、次第に明らかに成りつつあリますが、まだ解明されていない点も多く残されています。

 そこで間葉系幹細胞の分化がどのように制御されているのかをさらに明らかにしたいと考えています。

 また、破骨細胞の分化は間葉系細胞によって支持されており、その機構も明らかになりつつあります。
 当研究室でもその機構をさらに解明することを目的としています。
 またこの研究にはもうひとつの目的があります。試薬や試料を加えることで間葉系幹細胞の分化を制御したいということです。

 ここ数年注目を集め始めている治療法に再生医療というものがあります。これは従来の治療法のように薬を用いたり切除したりする代わりに体の中にある細胞を使って特定の組織や臓器を作ってしまおうという治療法です。

 前述したように間葉系幹細胞は多分化能を持っており、たとえば、骨粗鬆症や重度の骨折の治療では、患者さんから一時的に骨髄を取り、骨芽細胞への分化制御を行うことで、骨形成促進状態で戻すことが可能になり、スムーズな回復を誘導することが期待できます。
 
 また、近年間葉系幹細胞から心筋や神経細胞に分化しうることが報告されています。このことから、間葉系幹細胞による、脳や心臓の新たな治療技術を開発することも期待できます。

 このように、間葉系幹細胞を用いた再生医療は、今後開発される治療法の中心をになうことが期待されており、当研究室でもそれに貢献できるような実験結果を出したいと思っています。
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間葉系幹細胞の分化に関する研究
現在の研究目的