若 者 へ



 桐蔭横浜大学への入学おめでとうございます。心底より歓迎します。昨今の厳しい社会環境の中、大学生という身分を得たことはご両親はじめ、恩師(先生方)ほか多くの方々のおかげであり、自分自身の努力の結果であります。よってこの素晴らしいチャンスを大切にしてもらいたいと思います。しかし、このチャンスのありがたさに気が付かずして4年間を無駄に過ごし卒業間際になって慌てる者も少なくないのです。
 大学生としての期間は社会に出るための準備期間であり、人生で成功者として活躍し、自分自身の人生を価値あるものにするためでもあります。しかし、多くの成功者を見ていると、先ず、第一に夢、人生目標、志が必要です。「念ずれば花開くく」「ボーイズ・ビ・アムビシャス」などと言うに「思うこと、大志を抱くこと」が大切です。しかし、ただ念ずるだけでは不十分です。努力と知識と経験が必要です。何かを恐れ、何かを信じることが大切です。
 実はクラーク先生の「ボーイズ・ビ・アムビシャス」は「イン・クライスト」(In Christ)(イエス・神様)を信じてでしたし、かの有名なリンカーン大統領の「人民の、人民による、人民のため」も「アンダーゴッド」(Under God)(神の加護の下)だったのです。
 ここで私は特に基督教や特定の宗教を信仰しろと言っているのではない。私も基督教信者ではありません。自分自身の無限可能性も含めて、何かをしっかり信じること、確固たる信念が必要だということをいっているのです。歴史上のすべての偉人にも親が存在し、先生が存在し、そして時と場合によっては「苦難」や「トライアル」が成功へ導いてくれることもあります。苦難や逆境に打ち勝つためには何よりも強い信念が土台となりますが、このほか知恵と方便が必要です。知恵を与え、方便のヒントを出してくれるのは知識と経験の豊富な蓄積をもって先生や先輩との出会いが「鍵」となる。
 幸いにして本大学には知識と経験に加え情熱的な先生方が待機しています。積極的なこのチャンスを活用することをお勧めします。又大学にはアジア各国からの留学生も共に学んでいます。わざわざ外国にまで行かなくても身近に異文化、国際交流のチャンスがたくさんあります。クラブ活動同様に学園内のあらゆるチャンスを生かしてほしいと思います。
 尚、知識だけでなく常識を大切にしてほしいと思います。実際、就職活動などは常識が問われるのです。従って、私は三つのことに関して厳しくし、これらを守る学生には積極的に関わっています。第一に出席率、授業を楽しくし、そしてちゃんと単位を取らせるのは先生の責任ですが、出席してくれなければどうにもなりません。第二に、教室内で授業中にものを食べたり、飲んだり、私語を発したり、帽子を被ったりしているのは目さわりであり、迷惑であり、私にとっては「営業妨害」でもあります。
 勿論、「帽子」はオシャレの有効なツールであると同時に、「職種」によっては「帽子」を被らなければならない「時と場合」もあります。要するにTPO、Time、 Place、Occasionをわきまえればいいのです。第三にエレベータの使用のことをはじめ、いくつかのルールに関して張り紙などをしているにもかかわらず、それを無視する学生を見かけることがあります。特に法学部の学生には「Legal Mind」を大切にし、TPOを大切にする常識(分別)を身につけてほしい。
 最後に、大学は決して知識を詰め込む場所だけではありません。社会に出るための人の輪を作り、協調性と自己表現力を養い青春時代を思う存分楽しむことも忘れないでいます。演習・ゼミなどを通じて、又は倶楽部(自動車部)参加、研究室で語らいながらで、遠慮なく[Knock the Door]してきてください。


ペマ・ギャルポ
法学部 法律学科 教授
国際政治論、政治思想史、比較政治制度論など担当