X線被曝線量を減らすための新型CT装置の開発 (人体任意断面CT)
桐蔭横浜大学 臨床工学科
早川吉則
2005年3月19日以来の 訪問者
X線CTとは人体のある断面を色々な方向に透過したX線の強度からその断面のX線吸収係数の分布を描出する装置である。通常背骨に垂直な断面が描出される。ところで
X線CTでは体の横幅(約50cm)を120kVのX線が十分な強度で透過しなければならないため、X線の強度を強くする必要があり、X線被曝線量は10〜70ミリシーベルトと大きい。これは胸のX線撮影の場合の600〜4000倍の線量である。もし体の横幅の方向にX線透過データーがなくてもきれいな断面図が描出できればX線被曝線量は画期的に減らすことが出来る。しかしこの場合通常使用しているフィルター逆投影法というコンピューターの使用方法ではきれいな断面図が得られない。

純粋に数学的には特定の角度範囲の透過データがなくても(不完全データ)断面図を作ることができることが分かっているが、そのための具体的に満足のゆくコンピュータの使い方の方法は現在までの所開発されていない(画像処理アルゴリズム、齋籐恒雄著、近代科学社、1993年137-152頁)。
そこでこの問題を解決しようとしている。
| 新型CT装置(人体任意断面CT) | |||
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(X線透過データのない角度領域がある:通常使われているフィルタ逆投影法ではきれいな像は得られない) |
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さらにこのようなコンピューターの使い方の方法が見つかれば人体の縦切りの断面図を描出することが出来るようになる(A Proposal of a New Computed Tomograph for Direct Reconstruction of Arbitrary Crosssection of the Body:人体任意断面コンピュータ断層装置の提唱. Yoshinori Hayakawa, Jun Egawa, and Takeshi Iinuma,Nippon Acta Radiologica, vol.38(5), 403-407, 1978(昭和53年))。
(参考)座高は約90cmありX線は透過出来ない。
| 新型CT装置(人体任意断面CT) | |||
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(X線透過データのない角度領域がある:通常使われているフィルタ逆投影法 ではきれいな像は得られない) |
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このような不完全なデータから満足 のいく断面図を描出できれば医学的また工学・理学的に大いに役立つ物と期待 されるのでこの研究を行っている。例えばベルト・コンベイヤーを動いてくる 製品や農作物の断面図を簡便に描出したり、空港での荷物検査で弱い中性子線 を使ってプラスチック爆弾の検出にも利用できると期待される(プラスチック 爆弾のなかの窒素が中性子と相互作用する:The Practicality of Pulsed Fast Neutron Transmission Spectroscopy for Aviation Security. National Academy Press, Washington D.C., 1999)。
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研究テーマ
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