農耕地での色素増感太陽電池に よる発電
桐蔭横浜大学 臨床工学科 早川吉則
2006年1月21日
2006年2月7日以来の訪問者
植物の育成には660nm付近の赤色光と450nm付近の青色光及び730nm付近の遠赤色光が必要である(「植物工場の基礎と実際」、高辻正基、裳華房、2006年:第2版、78-80頁)。また植物の葉緑素は赤い光と青い光を強く吸収し、その中間の波長の吸収率はずっと少ない(植物工場研究所: (http://www.sasrc.jp/chlorophyll.htm)図1)

図1葉緑素の吸収スペクトル概念図植物工場研究所より:(若干変更)
{但し葉緑素の量が多くなると緑の光も吸収され、光合成に用いられるようになる。新緑の葉緑素が少ない木の葉は良く透けて見えるので緑色光をあまり光合成に利用していないが、深緑の葉緑素の多い木の葉は色光と言えども透過が減り、植物が光合成に利用することが出来る。「植物工場の基礎と実際」78頁の図4・1(http://www.sasrc.jp/kougen.htmにも同じ図あり:図2)

図2植物の光合成スペクトル概念図「植物工場の基礎と実際」より(若干変更)
での光合成に緑の光の寄与がかなりあるのはこのためであろうと思われる}。植物の利用率が低い緑色光を吸収して発電するため、赤色光と青色光を吸収しない赤紫(マジェンダ)色の太陽電池を田畑の上に設置しても日光で作物を育てることができると思われる。但し緑色光による分の光合成が減るので作物の種類を変える・特殊な肥料を与えるなどの対策が必要かもしれない。それでも収穫が減るおそれはある。しかし万一エネルギー不足が本格化すれば化学肥料・農薬・トラクターなどの工業の支援が無くなり、農業は収穫が激減する { エネルギー危機の社会への影響} のであるから、このようにして工業を維持することは、農業にとってもずっと 良いと思われる。農家は収穫の減った分を電気を売って稼げばよい。しかも日 本について言えば現状でも穀物の約半分は輸入しているのである)。このよう にして建物屋上だけでなく農耕地の面積を利用することにより、太陽電池の設 置面積を飛躍的に増やし、エネルギー危機を緩和することが出来る可能性があ る。日本では農耕地は500万ヘクタールであり(水田270万ヘクタール、畑 230万ヘクタール)、太陽電池の発電効率を10%とし、全農耕地を色素増感 太陽電池による発電に用いれば日本中の電気をまかなうことができる。光の3 原色などという中学生並のアイデアながらこのことはまだ誰も指摘していない ようである。実際にうまくいくかどうかは今後の研究に待たねばならないが、 大いにやる気と元気がでる話である。 この問題は重要なので今後その問題点に 付きさらに書く予定である。

図3 光の3原色
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